MIRACLE LINUXにZabbix 6.0をインストールしてみよう!【Part 1】
こんにちは!
今回はMIRACLE LINUXへのZabbixのバージョン6.0インストールについて書いていきます。
本記事の目次は以下のようになっています。
1. Zabbixについて
1.1 Zabbixとは
Zabbixjは様々なネットワーク機器、サーバー、仮想マシン、アプリケーション、Webサイトなどのインフラシステムに対する「統合監視ソフトウェア」です。
障害の検知に対する通知はもちろん、アクションを設定して障害時に自動的に再起動を行うなどインフラシステムの簡単な自動化にも対応しています。
OSSとして配布されており、誰でも簡単に入手・利用可能です。
1.2 Zabbixの構成
Zabbixには以下のような構成要素があります。
- サーバー
- データベース
- エージェント
- プロキシ
- Webインタフェース
監視サーバーとして必要なのはサーバー・データベース・Webインタフェースの3つであり、監視対象にエージェントをインストールすることによって対象を監視することができます。
プロキシは大規模なインフラシステムを監視する場合に、サーバーの負荷を軽減するための構成として使用することが多いので、小規模な監視システムでは基本的に必要ありません。
2. Zabbixインストール
ここから実際にZabbixをインストールしていきます。
2.1 今回の構成
今回インストールするZabbixは以下のような構成とします。
- Zabbixサーバー:1台(MIRACLE LINUX)【本記事はここまで】
- 監視対象(クライアント):1台(Ubuntu)
2.2 インストール
実際のインストールはZabbix公式のインストール手順に則って行います。
手順のページは以下からご覧ください。
まずはプラットフォームを選びます。
Zabbixのバージョンは6.0のLTSを選択します。
OSディストリビューションにはMIRACLE LINUXはありませんが、MIRACLE LINUXはRHELのクローンですので今回は「Red Hat Enterprise Linux」を選択します。
OSバージョンは9、MIRACLE LINUXは監視サーバーとしてインストールするためコンポーネントととしてServer、Frontend、Agentを選択します。
データベースはMySQL、WEB SERVERはApacheとします。
次に、Zabbixレポジトリをインストールします。すでにEPELをインストールしている場合は、パッケージからZabbix関連のパッケージを除外するかEPELレポジトリ自体を一時的に無効化します(今回はEPELレポジトリ自体を無効化)。
エディタでレポジトリファイルを開き、「enabled=0」に変更します。
# vi /etc/yum.repos.d/epel.repo
EPELレポジトリを無効化したら以下のコマンドにて、Zabbixのレポジトリをインストールします。
# rpm -Uvh https://repo.zabbix.com/zabbix/6.0/rhel/9/x86_64/zabbix-release-6.0-4.el9.noarch.rpm
Zabbixレポジトリをインストールしたら、サーバーに必要なパッケージをインストールします(記載以外にも依存関係パッケージがインストールされます)。
# dnf install zabbix-server-mysql zabbix-web-mysql zabbix-apache-conf zabbix-sql-scripts zabbix-selinux-policy zabbix-agent
Zabbix公式の手順ではここからDBの初期設定に入りますが、OSのインストール状況によってはDBがそもそもインストールされていないと思いますので、先にDBをインストールして起動しておきます。
DBをインストールして起動まで確認できたらDBの初期設定を行います。
DBの初期設定は、Zabbix用のDB作成・DBアクセス用のユーザー作成/権限付与を行います。
DBの初期設定が終わったら、以下のコマンドにてDBに必要な初期情報をDBに展開します。
# zcat /usr/share/zabbix-sql-scripts/mysql/server.sql.gz | mysql --default-character-set=utf8mb4 -uzabbix -p zabbix
DBへの初期情報展開が終わったら、DBのバイナリロギング設定を無効化します。
DBのバイナリロギングの詳細は以下のMySQL公式マニュアルから確認できます。
バイナリロギングは、レプリケーションを使用している場合とデータのリカバリ操作時に必要とされる場合があるようですが、有効にするとDBのパフォーマンス自体が低下するようです。
今回は検証用の構築かつレプリケーションは利用していないので、Zabbixの公式マニュアルにもある通り無効化しておきます。
上記設定が終わったら、Zabbixサーバーの設定にあるDBパスワードを設定します。
# vi /etc/zabbix/zabbix_server.conf
ここまでできたら必要なサービスを全て再起動します。
# systemctl restart zabbix-server zabbix-agent httpd php-fpm
# systemctl enable zabbix-server zabbix-agent httpd php-fpm
サービスが起動して正しいポートでリッスンしていることを確認します。
# netstat -ntpul
ここまでで正常にインストール・起動が終了していればWebインタフェースの初期画面にアクセスすることができますので、ブラウザにて「http://localhost/zabbix」にアクセスします。
上記URLにアクセスすると、以下の画面が表示されます。
デフォルトの言語で「日本語」を選択し、「次のステップ」をクリックします。
前提条件のチェック画面で全ての項目がOKになっていることを確認し、「次のステップ」をクリックします。
データベースの接続設定画面で必要な情報を入力し、「次のステップ」をクリックします。
基本最初から入力してある情報で問題ありません。パスワードのみ自分で設定したパスワードを入力します。
設定画面でサーバー名、タイムゾーン、Webインタフェースのテーマを選択し、「次のステップ」をクリックします。
これまでの設定内容に間違いがないかを確認します。
修正がある場合は「戻る」をクリックして該当箇所を修正します。
インストール完了画面が表示されたらインストール完了です。
「終了」をクリックするとWebインタフェースのログイン画面にリダイレクトします。
ログイン画面が表示されたら、デフォルトの管理者ユーザーでログインします。
デフォルト管理者のログイン情報は、ユーザー名「Admin」、パスワード「zabbix」です。
ログイン後、下記のダッシュボード画面が表示されていればOKです。
以上がZabbixのインストール手順です。
事前にDBをインストール・起動しておくこと以外は、基本的にZabbix公式の手順に沿っていれば特に迷うところなくインストールできるかと思います。
今回はここまでとし、Ubuntuを監視対象に追加する部分は次回の記事で書いていきたいと思います。
では。