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完全国産のRHEL/CentOS互換OS「MIRACLE LINUX」を使おう【Part1】

 

こんにちは!

今回は仕事でも使うことになりそうな、RHEL/CentOS互換の完全国産Linuxディストリビューションである「MIRACLE LINUX」についての基本とインストールについて書いていきます。

 

本記事の目次は以下のようになっています。

 

1. MIRACLE LINUXについて

1.1 MIRACLE LINUXとは

MIRACLE LINUXはサイバートラスト株式会社が開発・提供している国産のRHELRedHat Enterprise Linux)/CentOS互換のLinuxディストリビューションです。

 

RHELではサブスクリプション費用がかかっていましたが、MIRACLE LINUXは無償で使用可能です(サイバートラスト社によるサポートは一部有償)。

 

サイバートラスト社のMIRACLE LINUX公式ページは以下をご覧ください。

www.cybertrust.co.jp

 

1.2 基本情報

1.2.1 提供バージョン

サイバートラスト社によって提供されているMIRACLE LINUXのバージョンは、2023年12月時点で8系と9系となっています。

 

isoイメージをダウンロードしたい場合は以下よりダウンロードできます。

www.miraclelinux.com

 

1.2.2 動作仕様

動作仕様は8系と9系で多少の違いがあります。特に、8系ではメモリの最小要件が2GBであるのに対し、9系では4GBとなっています。

 

動作仕様詳細は以下のページをご覧ください。

www.miraclelinux.com

 

1.2.3 提供レポジトリ

提供レポジトリはインストール時点で「BaseOS」と「AppStream」となっていますが、そのほかのレポジトリも対応しています。

お馴染みの「EPEL」レポジトリにも対応しており、動作確認済みということです。

 

MIRACLE LINUXでEPELをインストールする場合は、EPELの公式サイトにある通りRPMから直接インストールすることで使用可能になります。

docs.fedoraproject.org

 

1.2.4 動作確認済み情報

SEとしてOSを使うときに気になるのは、動作確認済みでサポートされているかどうかですよね。

MIRACLE LINUXでは下記ページに書いてあるものが動作確認済みとなっています(2023年12月確認時点)。

 

www.cybertrust.co.jp

 

9系はまだ新しいからか、基本的には8系が中心となっています。情報としては古い可能性もあるため、最新の動作確認済み状況については直接サイバートラスト社に問い合わせてみるのが良さそうです。

 

個人的によく使う HPEのDL360 Gen10やVMware ESXiなども8系ですが確認済みということなのでひとまず安心です。

 

2. MIRACLE LINUXインストール

ここからは実際にMIRACLE LINUXのインストールを行なっていきます。

バージョンは提供されている最新の9.2、Virtual BOX上にインストールしていきます。

 

isoをマウントして起動し、GRUBのメニューが表示されたら「Install MIRACLE LINUX 9.2」を選択します。

 

インストールが面が表示されたら「日本語」を選択して「続行」をクリックします。


インストール概要画面が表示されるため、ここから詳細を調整していきます。

 

まずはソフトウェアの選択です。

デフォルトでは「サーバー(GUI使用)」が選択されていますが、今回はサーバーとして使うことを想定してインストールしていくため、「最小のインストール」を選択します。

アドオンは「標準」「開発ツール」を選択し、選択し終わったら「完了」をクリックします。

 

続いてインストール先(パーティション)の設定です。

自動構成にしてもいいですが、今回は「カスタム」にして自分でパーティションを細かく設定していきます。

 

今回は以下のようなパーティション構成とします。

  • /boot/efi:1GB
  • /root:30GB
  • swap:4GB
  • /home:残り全部

 

作ったVMではEFIブートを有効にしているため、/bootではなく/boot/efiパーティションを作成しています。

1GBというサイズは比較的大きい(512MBぐらいが通常)ですが、後々カーネルを自分でコンパイルしたりとした際にinitramfsが膨らむ可能性を考慮して大きめにしています。

 

 

設定が完了して「完了」をクリックすると、以下の確認画面が出るため「変更を許可する」をクリックするとパーティションの再構成が行われます。

 

続いてホスト名とネットワーク設定です。ここはお使いの環境に合わせて変更が必要かと思います。

ホスト名は「Miracle-Linux」としました。

 

最後にrootパスワードの設定を行います。

パスワードによるroot SSHログイン許可は任意ですが、チェックを外した場合にrootで直接ログインしたい場合は個別でsshdの設定が必要になります。ここではチェックを外しておきます。

設定が終了したら「完了」をクリックします。

 

設定が完了したら最終的に以下のようになるため、「インストールの開始」をクリックしてOSのインストールを行います。

 

インストールが完了するとインストールを求められるので、「システムの再起動」をクリックして再起動を行います。

 

以上でインストールは完了です。

再起動後、一応カーネルのバージョンを確認してみると「5.14.8」でした。

必要に応じて最新の6系までバージョンアップを検討してもいいと思います。

そのうちGRUB関連とも合わせて実施して記事にしたいと思います。

 

今回の記事はMIRACLE LINUXについての基本情報とインストールについてでした。

インストールはRHELCentOSとほとんど変わる部分はないので慣れている方にとっては大した話ではなかったと思います。

 

では。